【作例あり】マクロレンズ Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED を使ってみた【レビュー】

カメラ本体が国内生産終了となったNikonですが、その人気は根強いものです。
今回はそんなNikonのマクロレンズ「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED」について、実写作例を交えてレビューします。

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDのスペック

個人的注目の基本性能

Nikon公式ホームページより引用しています。

焦点距離:60mm
最短撮影距離:0.185m(等倍)
最大撮影倍率:1.00倍
最大絞り:f/2.8
寸法:約73mm(最大径)×89mm
質量:約425g

なぜこの一部情報のみピックアップしたかというと、個人的に撮影のために必ず見る情報だからです!
寸法と重さは、本体ボディとのバランスや三脚を使用するときの参考です。その他の情報については、上から順にひとつずつ確認していきましょう。(入門編の解説がつづきます)

入門編におすすめ!使い勝手のいい焦点距離

焦点距離は60mm。フルサイズ(35mm)換算なので、NikonのAPS-Cボディを使用するときは、1.5倍した90mmとなります。
入門編としてはこのぐらいの画角が一番使いやすいと思います。マクロ撮影はもちろん、スナップ写真や風景写真を撮るときにも構図を決めやすいですね。

被写体にぐんぐん近づける最短撮影距離

最短撮影距離は0.185m(等倍)です。
簡単に言うと、18.5cmまで寄れるのですが、ここでいう最短撮影距離とは、ピントを合わせた部分からカメラのセンサーまでの距離のことです。
ピントを合わせた部分からカメラのレンズ面までの距離は、ワーキングディスタンスと言います。

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの場合は長さが89mmなので、8.9cmとすると、
18.5cm – 8.9cm = 9.6cm
被写体全体を等倍で撮るのに、ここまで近づける…という単純計算です。

マクロレンズならではの最大撮影倍率

最大撮影倍率は1.00倍。
標準レンズのAF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VRの最大撮影倍率が0.38倍なので、今までの画角では38cmで写っていた被写体を、1mの大きさで撮ることができます。
虫の視点から見た花、のようなマクロ写真を撮りやすくなりそうですね。

暗い場所にも、背景ボケにも!最大絞り

最大絞り(f値)はf/2.8。絞りの数値が小さくなることで、利点は2つあると思います。

ひとつは、室内や夕暮れ時~夜など、暗いところで撮るとき。
シャッタースピード優先モード・マニュアルモードのときに、ノイズを気にせず明るく撮れます。

もうひとつは、みんな大好き!(ですよね?)背景ボケを撮るとき。
絞り優先オートモード・マニュアルモードのときに、ボケがよりやわらかくなります。
明るくて背景ボケした写真が撮りたいときは、最強ですね。

ちょっと気になる手ぶれ補正について

さて、レンズ基本性能をひとつずつ見ていき、ここまではメリットだけをあげていますが、このAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED、手ぶれ補正がついていないのです。

Nikonはミラーレスシリーズにはボディに手ぶれ補正が搭載されるようになったので、それに装着すればボディの機能が使えるようです。
ただしボディに手ぶれ補正がついていないものに装着すると、気を付けないといけないですね。三脚の活用もかかわってくることと思います。

AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの5つの作例

さて、ここまで基本性能について語ってきましたが、百聞は一見に如かず。
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDで撮った5パターンの作例を紹介していきます。
使用ボディはNikon デジタル一眼レフカメラ D5500です。
(すべて露出補正なし、フラッシュなし、35mm焦点距離:90mm)

マクロの世界を切り取る

マクロの世界 アカクラゲ

室内暗所撮影
絞り値:f3
露出時間:1/400秒
ISO感度:4000
かなり離れた場所からでもクラゲを画角いっぱいに写せました。

マクロの世界 コイ

室内暗所撮影
絞り値:f3
露出時間:1/400秒
ISO感度:1000
魚のひれと表面の質感がちゃんと写っています。

マクロの世界 イソギンチャク

室内暗所撮影
絞り値:f5
露出時間:1/320秒
ISO感度:2000
イソギンチャクの中に入り込んだ魚の視点っぽく。寄っているので絞りf5でもボケます。

手ぶれ調整と動きをとらえるのにシャッタースピード優先した結果、ISO値がものすごいことになっていますが、水族館のような暗所撮影ならではの数値ですね。
そしてISO値をこれだけあげても、マクロレンズの解像度により、なかなかバキバキに撮れているかと思います。

暗い場所での有効性

暗い場所での有効性

室内暗所撮影
絞り値:f2.8
露出時間:1/200秒
ISO感度:640

こちらは絞りを最大まで開放して、シャッタースピードもISOもギリギリ許容範囲内のところにおさめた1枚です。
暗めの背景の雰囲気は大事にしたいけど、被写体(今回はイカ)まで暗くならないように撮りたいときに、バランスよく撮れるのではないでしょうか。

背景ボケのなめらかさ

背景ボケのなめらかさ

室内暗所撮影
絞り値:f2.8
露出時間:1/320秒
ISO感度:2500

ISO値は例によってものすごいですが、ひとまず目をつぶっていただき。
またまた絞りを最大まで開放することで、前を泳ぐ魚たちがなめらかににボケてフレームとなり主役を強調してくれました。
…主役の横にちゃっかり小さい子がついてきていますが。
それはそれで趣です。

遠距離・広角も綺麗に

遠距離・広角も綺麗に

屋外晴天(2月14時撮影)
絞り値:f4.5
露出時間:1/1250秒
ISO感度:100

ここまでは画角いっぱいに広がった構図ばかりでしたが、マクロレンズは解像度のよさから、遠くの風景をシャープに鮮やかに撮るのにも向いていると思います。
屋外撮影は距離を撮りやすいので、広い画角も撮りやすそうです。

目の色に近い自然の光

目の色に近い自然の光目の色に近い自然の光

屋外日陰(2月14時撮影)
絞り値:f4.5
露出時間:1/320秒
ISO感度:100

これは、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDだから…というか、Nikonの自然な見たままの色が出るよさです。
Nikonは白黒はっきりした色合いの、黒を美しく魅せるのが長所だと思います。
ペンギンのつやつやとした毛並み、くちばしの質感がお気に入りの1枚です。

ちなみにCanon 単焦点レンズ EF50mm f/1.8 STM(Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X7に装着)で撮った写真がこちら。

ペンギン

屋外日陰(2月14時撮影)
絞り値:f5.6
露出時間:1/160秒
ISO感度:200

ペンギンの毛並み、レンガの色などがNikonの作品に比べて少しのっぺりとしているかな?と思います。(個人的感想で、好みの問題です)

例えばホワイトバランスの調整などで色の見え方も変わってくるので、そこはNikonでもCanonでもいじくりまわして自分好みに設定していくこともできますが、その話はまた別の機会に。
NikonとCanon、iPhoneとAndroid、きのこの山とたけのこの里。永遠の課題です。

マクロレンズ AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDならではのポイント

ここまで、実写作例もふまえてAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDをご紹介してきました。しかし、そもそもマクロレンズである必要性があるの?という疑問もあるかもしれません。
ここではもう少し掘り下げて説明していきたいと思います。(入門~中級ぐらいです)

もう十分、という方は『まとめ』へどうぞ!

そもそもマクロレンズと単焦点の違いって?

「マクロレンズってボケがきれいな写真が撮れるんだ!」
「絞り値を開放することで明るく撮りたい!」
「あれ?でもそれだったら単焦点レンズでもいいんじゃない?」
そう思うかもしれません。(自分もそう思っていました……)

まず、マクロレンズも単焦点レンズです。
単焦点レンズ=ボケが撮れる・明るく撮れるレンズのような感覚を持つ人も少なくないとは思いますが、単焦点レンズの基本は焦点距離が決まっている、ということ。

ズームレンズはさまざまな画角に対応しなければいけないので、絞り値の開放にも限界があります。
それに対して単焦点レンズはもう焦点距離が決まっている、つまり画角が決まっているので、それに合わせて追及した設計(絞り値の開放を大きくすること)ができるのです。

ではマクロレンズと単焦点レンズの違いは?
実は『1. AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDのスペック』でサラッと言っています。
最大撮影倍率が大きいのです。最大撮影倍率が大きいと、花や虫など小さいものを大きく拡大してもピントがきれいに合います。
レンズの最大撮影倍率の比較も参考に載せておきましょう。

【レンズ最大撮影倍率比較例】
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED(マクロレンズ):最大撮影倍率 1.00倍
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(単焦点レンズ):最大撮影倍率 0.15倍
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G(標準ズームレンズ):最大撮影倍率 0.38倍

やっぱり入門編におすすめ!使い勝手とコスパ

拡大できるレンズを使用して被写体から距離をとると、全体像をとらえるまで縮小することはできます。
しかし拡大性能のないレンズで被写体に近づいて大きく撮ろうとしても、ピントが合わずにうまくとれません。

大は小を兼ねる、ではないですが、拡大できるレンズのほうが、画角の選択肢は広がると思います。
また、60mm焦点というほどよい距離感も、画角の決めやすさの一つだと思います。
気になるお値段も、Nikonレンズとしてそこそこのコスパであることから、使い勝手はいいと思います。

※ただし、これは距離がある程度とれる屋外での撮影の状況です。
屋内撮影や狭い空間の場合、距離がとれずに引き画を撮るのが難しくもなります。
自分が使う撮影状況はどんな状況が多いか、ということは考えた方がいいでしょう。

取り付けるボディによる画角の違い

さきほど「屋内撮影や狭い空間の場合、距離がとれずに引き画を撮るのが難しくもなる」といいましたが、それはレンズを取り付けるボディによります。

やはり『1. AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDのスペック』でサラッと言っています。
正確には、ボディというよりセンサーの大きさで、同じレンズでも画角が変わってくるのです。
カメラに搭載されているセンサーのうち、APS-Cセンサーと35mmフルサイズセンサーを比較した例をあげましょう。

同じ単焦点レンズで同じ距離から被写体を写したとき、画角の中の被写体は、APS-Cセンサーは35mmフルサイズセンサーの1.5倍の大きさで写ります。
つまりAPS-Cセンサー搭載のカメラで撮ると、寄り画になりやすいと言えます。
逆に言えば、2つを比較したときに、35mmフルサイズセンサー搭載のカメラは引き画が撮りやすいとも言え、室内で撮影する場合も、そこそこの範囲が写ると思います。

よって、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDを35mmフルサイズセンサー搭載カメラに取り付ける場合、引き画も寄り画にも強いマルチなレンズとして活躍できるでしょう!
※あくまで個人的見解です

まとめ

いかがでしたか?

・明るさ、距離などの基本性能
・拡大縮小画角の可能性

の点から、AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDはマクロレンズ入門におすすめのレンズです!
「マクロレンズが気になる」という方や「マクロレンズの作例が見たい、撮影の設定を見たい」、またはピンポイントに「AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDってどうなの?」という方の参考になれば幸いです。

弊社は『お客様の愛用していたカメラ用品を少しでも高く買取したい』という思いのもと、カメラ用品の高価買取をいたします。

カメラ・レンズはもちろん、周辺機器やアクセサリーについても、最新の市場価格をもとに、適正な買取価格をご提示いたします。

カメラ用品のカメラ用品の買取を考えている方は、気軽に査定してみてください。

カメラ用品無料査定こちらから!

お急ぎの方はこちら!土日祝も対応!

092-600-1374

受付時間 10:00~19:00

24時間受付中!カンタン入力!

WEB査定する!

【早見表あり】忙しい人のためのレンズマウント互換性【Canon、Nikon】
カメラの寿命はシャッター回数?買取に影響はするの?
【作例あり】Nikon Z fcにFマウント旧レンズを装着してみる!

ページトップボタン

092-600-1374 [受付時間]10:00~19:00 WEB買取 LINE買取